PRODUCT DEVELOPMENT STORY 02

WIDER

1950年代、当時はS形(小形)スプレーガンとB形(大形)スプレーガンがアネスト岩田の主力製品であったが、さらなる製品開発の強化を掲げ、「WIDER」ブランドを新たに立ち上げた。WIDERとは、スプレーガンで重要なポイントである、「広いパタン幅」と「さまざまな分野・市場に幅広く対応できる」また、「製品が世界へ販売拡大、促進される願い」を込めて命名された。

01.BENEFITスプレーガンの原点である確実でスムーズな塗装を叶える

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WIDERは1957年に誕生し、その時代に合ったスプレーガンを2つのポイントにこだわり投入してきました。1つがエルゴノミクス。“疲れにくさ”と“操作のし易さ”を追求していること。もう1つは当時の“最先端の霧化技術による良質な塗面の提供”です。ユーザー様にとって塗り易く、そして綺麗な仕上がりが得られるスプレーガンを提供しています。

02.HISTORYそれは、誕生初期から現代まで愛され続ける名機

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高度経済成長によって増加したスプレーガンの需要

1954年、終戦後10年を待たずに始まった高度経済成長時代。活発化する日本国内産業の好景気は、さまざまな分野における産業構造の高度化につながり、塗装業界にも大きな波となり押し寄せていた。自動車、汽車車両、船舶、建造物などが次々と造られていくと、それに伴い塗料の使用量も年々増加。その塗装量の増加により、スプレーガンの需要もさらに大きくなっていった。

スプレーガンの機構を論理的に見直し、高性能な新製品の開発に着手

そこで、さらなる新製品開発に本格的に取り組むため、当時一貫生産を可能とする設備を整えた綱島新工場に、当社として初めて研究開発室を設置した。研究室開設当時は効率的な霧の粒子の大きさを科学的に測定する方法すらなく、アメリカやヨーロッパでも経験に頼っていたのが実情であった。そこで当社は機構を理論的に解明することで、さらに高性能のスプレーガンが開発できるのではないかと考えた。

約4年の歳月を費やし、科学的に裏付けされた理想的な名機が誕生

その結果、スプレーガンの基礎である「なぜ霧になるのか」という原点から研究を始め、スプレーガン先端部(ノズルの中心塗料孔、キャップの中心空気孔、角の空気孔等)の形状、寸法等を約4年の歳月を費やし、徹底的に洗い直し、理論的に解明することができた。誕生初期から現代まで、超ベストセラー機となった名機の歴史がここから動き始め、時代が求める方向へと歩みを進めた。

WIDERからWへ。さらなる進化を求めて

21世紀型環境対応商品開発のため、新プロジェクトを発足。さらなる世界躍進を目標に、心臓部から構造設計を見直す。塗装のプロフェッショナルに自信作を贈るために、数々の新機能を有するスプレーガンを提供すべく、“WIDER”の名称の持つ様々な想いを“W”の一文字に込めた。

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03.MESSAGEWから再びWIDERへ。WIDERに込めた“想い”と“こだわり”W シリーズのさらなる進化へ

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『常にいきいきとした活力と、新規性のある技術力をもった開発型企業』これは私たちのコーポレートブランドプロミスです。塗装機器のリーディングカンパニーとして市場を活性化することは私たちの使命であります。創業93周年を迎えた今年、100年企業へとさらなる飛躍を求め、汎用スプレーガンとして世界で認知されるようになったWシリーズをさらに進化、洗練させ、アネスト岩田ブランドをより浸透させていくために、新製品開発に取り組みました。

まずはユーザー様にとって扱いやすいスプレーガン、個体差なく品質が安定するスプレーガン、さらに生産効率を上げるには何が必要か、全部品を分析し、全部品の見直しを実施しました。その中で、改善のために互換性を崩すという勇気と決断が必要でした。WIDER1/WIDER2は、どんな握り方にもフィットするグリップとトリガー形状であることと、重量バランスに優れているため、どのような市場にも対応できる万能なスプレーガンへと進化を遂げました。

特に工夫した点は、空気弁シートの改良による霧化性能の安定化です。トリガー形状の微細な変更による操作性の向上や、各種ネジ部の先端にガイドを設けるなど、全部品に使用感をアップさせる配慮をしたことは、こだわりのポイントです。WIDER1/WIDER2はお客様に「使いやすくなったね」と言っていただけるように、少しずつの気配りを細部に散りばめたスプレーガンです。ご使用いただければきっと、私たちの“想い”と“こだわり”を感じていただけると思います。